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タンバリンでできたオーロラ
第30章 エロくて新学期!

ほらね。目敏いさらか先輩は、僕の不審な挙動を見逃さない。
「いっ、いえっ……なんでもないです……」
「んんー? アヤシイなあ……さては可愛い子にでも見とれていたな!」
「そっ……そんなことありませんよ!」
「週番の挨拶運動にかこつけてガールウォッチングでもしてたんじゃないでしょうね!」
「めめめめ、滅相もないっ!」
「アハハ! 滅相もないって、いつの時代の人よ! 可笑しい!」
さらか先輩は頭カチカチの真面目人間ってわけじゃない。冗談好きの柔らか女子だ。
こうやってよく下級生をからかったりもするが、それはちゃんと節度をわきまえた範囲であって、しつこかったりもしない。そのせいか、どこか品すらあるように感じられるのだ。
「ンフフフッ……冗談冗談! わかってるわよ! トシアキ君はいつも頑張って活動してくれているものね!」
これだ。
先輩のからかいは涼やかに通り過ぎてゆく。
そしてまたすぐに挨拶の声をかけ始めた。
「おはようございまあーす!」
僕も慌ててそれに倣う。
「おっ……おはようございます!」
いつもと同じ朝。一学期と同じように始まる清々しい新学期。
そのはずだった。少なくともこの時点で、僕はそれを疑っていなかった。
異変は放課後に起きた。
「いっ、いえっ……なんでもないです……」
「んんー? アヤシイなあ……さては可愛い子にでも見とれていたな!」
「そっ……そんなことありませんよ!」
「週番の挨拶運動にかこつけてガールウォッチングでもしてたんじゃないでしょうね!」
「めめめめ、滅相もないっ!」
「アハハ! 滅相もないって、いつの時代の人よ! 可笑しい!」
さらか先輩は頭カチカチの真面目人間ってわけじゃない。冗談好きの柔らか女子だ。
こうやってよく下級生をからかったりもするが、それはちゃんと節度をわきまえた範囲であって、しつこかったりもしない。そのせいか、どこか品すらあるように感じられるのだ。
「ンフフフッ……冗談冗談! わかってるわよ! トシアキ君はいつも頑張って活動してくれているものね!」
これだ。
先輩のからかいは涼やかに通り過ぎてゆく。
そしてまたすぐに挨拶の声をかけ始めた。
「おはようございまあーす!」
僕も慌ててそれに倣う。
「おっ……おはようございます!」
いつもと同じ朝。一学期と同じように始まる清々しい新学期。
そのはずだった。少なくともこの時点で、僕はそれを疑っていなかった。
異変は放課後に起きた。

