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タンバリンでできたオーロラ
第4章 キリングス・オブ・キングス2 ~凌辱のカードバトル~
無線を受けた潜水艇の狭い艇内には三人の搭乗者がいた。
一人は操縦者。
ベテランらしい落ち着いた操縦桿捌きで、ゆっくりと、しかし滑るようにして機体を大陸棚の上に走らせている。彼はどうやら返事をするつもりはないようだ。
となると、回答は残る二人に託される。
二人はどちらも女性で、それぞれ甲乙つけがたい美貌の持ち主だ。そして若い。だが、同じ年頃というわけではなかった。
大人びた雰囲気の女性はエリッシュ・エマ。
スーツ姿にパンツという出で立ちはこの事業に出資するキリングス・オブ・キングス・カンパニーのCEOらしく、一部の隙もなく決まっている。中近東系の彫の深い顔立ち、そしてくっきりした大きな瞳はまさしく美女。頭髪は覆わずに、スカーフは緩く首に巻いて垂らしている。一企業を率いる者らしい成熟した知性を窺わせるその表情は凪いだ海面のように穏やかではあったが、緊張感を失ってはいない。