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タンバリンでできたオーロラ
第36章 セキュリティ・システム
その仮説の中で、集合的無意識から遮断された結果死亡した人々は「イミテーション」であるとされた。つまり、人間の偽物である、と。

人類以外の何者か――おそらくは知的存在が創り出し、私たちを調べる為に送り込んだ観察者。彼らは心を持たず、人類の集合的無意識から活動エネルギーと得ると共に疑似的な精神を模造して人間のように振舞っていた。その為、集合的無意識から切り離されると同時に死亡してしまったというのが一嗣の仮説だった。

政府は、この説が一般に流布されるより早く動いた。

何故なら、国防――というより、人類の存亡にかかわる案件だったからだ。
何者かが人類を探っている。その目的はわからなくても、そのまま放置しておけば何が起きるかわからない。なにしろ、相手は既に人類の集合的無意識にアクセスする手段を持っているのだ。

セキュリティが必要だった。私たちの心を守るための――。

予算が与えられ、要請が出された。

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