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タンバリンでできたオーロラ
第36章 セキュリティ・システム
一嗣が考案したのは、彼の発明である読心機と、心の暗号化技術を応用した対策だった。そう、同じ理屈だ。「人類の集合的無意識を暗号化して外部(人類外)からのアクセスを遮断する」。
ただ暗号化するだけでは、その心の持ち主すら自分の心が読み取れなくなる。だから、パスワードを設定して心の持ち主だけにはデコードしての読み取りができるようにする。
集合的無意識も同じようにする。
暗号化された集合的無意識をデコードできる「鍵となる人物」――キー・パーソンを用意すればよい。
既存理論の応用ができるため、技術的には難しいことではなかった。ただひとつの問題は、鍵となった人間は、その心を完全に集合的無意識と一体化させるため、深い眠りにつかなければならないということだった。
人柱のようなもの――いかに未知の脅威から人類全体を守るためとはいえ、人道的には許されない解決手段。しかし、私はそのキー・パーソンに志願すると一嗣に向かって言ったのだ。
ただ暗号化するだけでは、その心の持ち主すら自分の心が読み取れなくなる。だから、パスワードを設定して心の持ち主だけにはデコードしての読み取りができるようにする。
集合的無意識も同じようにする。
暗号化された集合的無意識をデコードできる「鍵となる人物」――キー・パーソンを用意すればよい。
既存理論の応用ができるため、技術的には難しいことではなかった。ただひとつの問題は、鍵となった人間は、その心を完全に集合的無意識と一体化させるため、深い眠りにつかなければならないということだった。
人柱のようなもの――いかに未知の脅威から人類全体を守るためとはいえ、人道的には許されない解決手段。しかし、私はそのキー・パーソンに志願すると一嗣に向かって言ったのだ。