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タンバリンでできたオーロラ
第37章 英雄 ~あるいはコロンブスと卵の話~
商人であり、将軍であり、大提督であり……それよりもっと前は王室お抱えの家庭教師であったこともある。もっとも、彼を偉人たらしめたのはあの発見をおいて他にない。

その偉業を讃えぬ者はいない。今では。
そう、今では、だ。

驚くべきことに、当時、帰還した彼を「新大陸は誰にだって見つけることができた」と謗る者たちがいたという。

そんな者たちに、彼は何と言ってみせたのか――そう、コロンブスの名は、あの「卵の逸話」でも有名だ。

彼は、業績を軽んじる連中に卵を立てることを試みさせた。

難題だ。
丸い卵は平らなテーブルの上で転がるばかり。真っ直ぐに立てることなど誰一人できなかった。コロンブスはそれを見届けてから悠々と卵の尻をグシャリと潰し、テーブルの上に突き立ててみせた。

成し遂げられた後は簡単そうに見えることでも、最初にやってみせることがいかに困難か。そういう教訓として、大人たちが好んで子供に伝え聞かせる物語だ。

大航海の時代など遥か遠い昔のこととなった今の時代でも。


それでも――僕は思うのだ。

コロンブスの卵はそんなことじゃないと。


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