この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
タンバリンでできたオーロラ
第38章 終末のユーフォニアム
それで、車道だけだった行進が、あっという間に歩道までになってさ。建物の中からもドバーッと出て来て。路上に新しい色がどんどん増えて。

その子たちが曲に合わせてあっち向いたりこっち向いたりする度にキラキラ光ってさ。何がって、楽器がよ。トランペットとかベルリラとか。ベルリラって知らない? ほらあれよ、銀色した鍵盤のやつ。応援団の旗みたいに立てて持ってるの見たことない? カッコいいよねー。ここだけの話、私、幼稚園の鼓笛隊のとき、あれ持つのやりたかったんだ。ジャンケンで負けちゃったけど。

それで、うん。凄い景色よね。そう。この場所だってそのうち埋もれちゃう。私たちだってマーチにのみ込まれる。でも、それは一番最後なの。私はこうやってあなたと二人で、世界の終わりを眺めているの。

えっ? 全然世界が終わる気がしない? ふふっ、そうだといいね。でも、こうやって終わるなら、それもいいかもって思わない? 楽しいよね。

今日と同じ綺麗な青空でさ。あっちこっちで、クジラの潮吹きみたいにマーチングバンドの女の子たちの波しぶきが上がってさ。大きなカマスが虹を描くように女の子たちの海から飛び跳ねて。カマスっていうのは魚のカマスね。オニカマスとか、大きいのは背中に乗れるぐらいなんだよ。きっと映えるよ。心躍るようなリズムの中で……摩天楼が沈んでいくの。きっと、素敵だと思うんだよなあ。

/619ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ