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タンバリンでできたオーロラ
第1章 ごムぞうり
ちょっと世界観がシュールすぎやしないか。
それは書いている人の考えです。
書いている人の考えはまたちょっと違います。
「シュールとショールって似てるよな」とか、「シュールという言葉、憶えたての男子高校生が使ってる感じになってないかな」とか、書いている人はだいたいそんなことを考えて生きています。
ゴム子とブルーインパルスのことばかり考えて生きているゴム象とは違います。はっきり言ってゴム象がうらやましいぐらいです。
「それで、オイラになんかようかい?」
「用なんかねえよ」
「それじゃあなんで呼んだんだい?」
「呼んでなんかないだろ」
そう言えばそうでした。
いや、そんなことないだろ。
「ゴムゾウって呼ばなかった?」
ゴム象はそう尋ねました。
「ん? なんだアンタ、そういう名前なのかい?」
「ああ、オイラ、ゴム象ってんだ」
「はっはっは、そういう事か。すまなかった」
そう言ってゴムゾ売りの男は名刺を差し出しました。