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今宵ワタシの胸の中で
第5章 今宵が運命の夜なら
悠太(ゆうた)に地元に帰省してすぐにLINEを送る。遠い街に進学した私が地元に帰って、真っ先に連絡する男友達。

もう年の瀬…仕事をしている悠太は忙しそう。それに美樹(みき)と亮(りょう)君が別れてから、私達のバランスは確実に変わった。

悠太と亮君は親友だもん…悠太と美樹は友達だし、気まずいよね。そんなことを考えながら、悠太から来るだろう返事を待つ。

【綾(あや)おかえり。今日は亮と飯の約束してんだ。綾もくる?】

仕事終わりだろう悠太からの連絡に胸がざわめく…本人は知らない…私が美樹と貴方を別れさせた張本人だと言うことを。

笑顔のOKスタンプを悠太に送る…亮君が元気になったか見たかった。ざわめく想いの中にそんな想いを持ちながら。

久しぶりに再会した亮君は元気そうだった。
いつも悠太と私が付き合わないのか?と気にしてる。でも、私達はそんな関係じゃないんだ。

「悠太、あの映画の新作観に行こうよ。前回作一緒に観たやつ。」

運転手の悠太を除いて、私と亮君はアルコールでほろ酔いで。いつものように悠太を映画に誘う。

「オレ、仕事忙しいから無理だよ。あっ、亮ヒマじゃん。」

亮君は急に話を振られて驚いたようだけど、

「オレは行ってもいいよ。」

そう満面の笑みで返事を出した。

「…う、うん。じゃあ、観に行こう。」

美樹と亮君の件が胸のどこかで痛む。ただ笑顔で了承してくれた亮君を断れなかった。
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