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第1章 二つの心

夫「私は辛い思いをしました。
そして、この傷は一生癒える事は
ないでしょう。あなた方も
私と同じように一生、拭えない事実と
向き合って欲しいのです」

重苦しい空気の中、私の
啜り泣く声だけが聴こえていました。

しばらくして

夫「只、生まれてきた子供は正に
『子は鎹』です。その子の存在が
全く血の繋がっていない２つの家族を
血縁で結び付けてくれます。
その子のお蔭で私たちは本当の家族に
なれると思いますが、どうでしょう？」