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らぶあど encore!
第6章 ライヴ=人生?
「小さな子供でも信号を理解しているぞ!
無茶苦茶をしてどうする!そんなに俺から逃げたいのか?」
見たこともない険しい顔で怒鳴られ、カナは一瞬呼吸を忘れてしまうが、また涙が溢れて来てしまう。
「ひっ……らっ……らって……っ」
唇も、頬も、指も声も震わせるカナを見て智也は顔を歪めた。
「やっぱり……連れてきたのは迷惑だった?」
カナは巻き毛を揺らしながら首を振るが、しゃくりあげるばかりで上手く話せない。
「カナは……っカナは……」
「うん……」
沢山の人が行き交う雑踏の片隅で道端に座り込む二人をチラリと見る通りすがりの人間が何人かいた。
カナは視線を気にして、立ち上がり無理矢理笑顔を作った。
「……ご、ごめんなさっ……何でも、なんでも……」
だが、智也を見つめる内にまた涙が溢れてしまう。