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らぶあど encore!
第10章 sugar escort
人に髪を触られるのは、擽ったい。
背中の辺りが総毛立つような感覚が心地好くて、ほなみは目を瞑る。
耳元に、ハキハキしたあぐりの声が飛び込んでくる。
「自分で髪を上げたりするのもそろそろ大変よねえ……
妊娠中は手を上に伸ばしたりするのも気を付けた方がいいんでしょ?」
大きな鏡の前で、あぐりはほなみの髪を結っていた。
「う~ん。
面倒だし、切ろうかな」
「ダメよっ!
綺麗な髪なのに勿体ない!
それに、切ったら西君が怒りそうじゃない?
やっぱ、男ってロングが好きだからね~!」
あぐりは、器用な手付きで櫛を入れながらほなみの髪を編み上げていく。
祐樹も、ほなみを愛した後に、楽しそうに髪を弄んでいた。
ほなみを悪戯な目で見つめながら……
『綺麗だよ……』
祐樹の澄んだ色素の薄い黒目がほなみを捉えると、それだけでほなみは甘酸っぱい想いで充たされた。