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らぶあど encore!
第11章 Hearty party
カナはさっと青ざめた。
「い、いえ……
違います……
ほなみさんは……そんな風には言いません」
景子は、憐れむ様な目でカナを見ると溜め息を吐いた。
「そう……
つまり、貴女はそうやっていい加減な物言いで、ほなみさんを貶めている事にもなるのよ?
……ほなみさんが、陰口を言う人みたいに聞こえるじゃないの?
……違うかしら」
カナは、唇を噛んで俯いて三広の髪を引っ張る。
「い……イテテ」
三広は目を白黒させた。
景子は尚もカナに畳み掛ける様に言葉を浴びせた。
「貴女は……
そうして振る舞えば、ほなみさんが喜ぶと思っているのかしら?
……いえ、違うわね、貴女はほなみさんの為じゃなくて、自分の為に私を罵倒したのよ。
……いい人の振りをして、皆に……特に、智也さん辺りに、良く思われる為に……ね」
「――!」
カナは、更に顔を青くして、また三広の髪を引っ張った。
「……降りる」
「イテ……え?」
「カナは、降ります!
降ろして――!」
「あ、はいはい……
て、カナちゃんが勝手に乗ってきたんじゃん……」
三広がブツブツ言いながら、身体を屈めると、カナはぞんざいな仕草で三広の肩から降りて
「カナ、頭を冷やして来ます!」
と叫び、ドアを開けて出ていってしまう。