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らぶあど encore!
第15章 それぞれの、朝 ②
『あぐり女王様――!
女王様のお好きな物を献上しに参りました~!』
あぐりの足下に、提灯ブルマみたいな変な形のパンツに緑のタイツを履いたマッシュルーム頭の男が膝まずき、リボンのかかった大きな箱を差し出して居る。
あぐりは、なんだか高級そうな椅子にゆったりと腰掛けていた。
しかも、この部屋はなんて広いのだろうか。
天井が半端なく高い。派手なシャンデリアが眩しくて、床には紅絨毯が――
ハリウッドスターが向こうから歩いて来てアカデミー賞授賞式が始まるんじゃないかしら?
あぐりは、自分の指全部に大きな指輪が嵌まっているのを見て唖然とするが、目の前のマッシュルームがまだ頭を下げたまま
『女王様!女王様!
どうか、どうか!』
と叫んでいるのを見て、
(そうか、何だか分からないけど、私は今女王様なのね)
と納得した。
そして、これは自分が見ている夢なのだろう、と気付く。