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らぶあど encore!
第16章 不穏な前兆
亮介は、景子とあぐりが話している光景を見て、頑なな一面を持つ彼女が周りに溶け込み自分をさらけ出せる様になれば良いのに、と思う。
景子の事情や内面はまだ計り知れないが、多分、今のところは自分が一番良く彼女を分かっているのではないか?
只の自惚れかも知れないが……
野村は、亮介を肘で小突き、メニュー表を突き出した。
「ほら、亮介……
見とれてないで、お前のをさっさと決めろよ」
亮介は気恥ずかしくなり、照れ笑いをしてメニューに目を落とした。
そんな亮介に、野村はぼそりと言って溜め息を吐いた。
「……女の子って、難しいよな……」
「うん?そうかなあ?
まあ、そうかも知れないけど……」
亮介はメニューから目だけを出し、電話をする景子を盗み見た。