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らぶあど encore!
第18章 波瀾のdate
史は、目の前の女が花が咲いた様に輝く笑顔になる瞬間を見て、胸の中が大きく跳ねた気がした。
「見付けた……!
ありがとう、貴方のお陰ね、きっと……」
「いや、俺はなんも」
ほなみは首を振る。
先程まで、訳の分からない嫉妬の感情に振り回されていたのを既に忘れているのは、彼の歌声に触れたからかも知れない。
不思議な歌に耳を傾けている内に、自分の中の何かが中和された様に感じていた。
祐樹が、ほなみの姿を見付けた様だ。
両手で手を振って何かを叫んでいる。
ほなみも祐樹に手を振り、キラキラした笑顔を向けている。
「……?」
史は、目を細めほなみが手を振る方を注視すると、小さく呟いた。
「――あいつは……」