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らぶあど encore!
第19章 心~crossroads
ほなみも、こんな風に祐樹に組み敷かれ、甘く声を上げるのだろうか。
今、こうしている間にも、抱かれて彼にしがみついているのかも知れない――
そう思った時、不可解な感情が込み上げ、史は一層景子を烈しく打ち付けた。
「ああっ――!
ふ……史っ……スゴいっ……」
景子は、かつて無い程情熱的に史に抱かれている事を感じ、全身を快感で震わせた。
だが、彼は景子を見て居なかった。
景子を打ち付けながら、何処か遠くを見ている。
史は、ほなみが祐樹の腕の中で乱れ、声を上げるのを思い描きながら自身を猛らせていた。
(……ミュージシャンの名声も……
あの女も……
壊してやる……っ)
その思いは、自分に芽生えた初めての愛情と背中合わせな感情だという事を、今の史には知る由も無かった。
また景子も、史に快感を与えられながら、心は別の場所へと飛んでいた。
揺れるタクシーの中、亮介にもたれ掛かり微睡んでいたあの時間(とき)に戻りたかった。
あの瞬間、彼の手を握っていたなら――
そこからやり直せたのかも知れないのに。
「くっ……!達(い)く……!」
史が、身体の上で仰け反り精を吐き出し、景子も同時に果てた。
太股に伝う史の生温い精が、蜘蛛の糸の如く身体をがんじがらめに縛り、身動き出来ない――
そんな幻覚を、景子は見た様な気がして、その瞳から一筋涙を溢した。