この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
らぶあど encore!
第23章 秘密のライヴ
「……ほなみ?」
景子は、突然肩を震わせてしゃくりあげ始めたほなみに驚き、しゃがんで彼女の涙をハンカチで拭う。
「け……いこちゃ……あ、ありが……」
無理矢理に笑顔を作るが、嗚咽を止めることが出来ず、ほなみは身体を折って苦しそうに呻いた。
「ちょっと……まさか、お腹が痛いとかじゃないでしょうね?」
「ううん……そうじゃないの……っ……ん……ひっく……」
「何でも無さそうには見えないわよ――!?」
景子がほなみの背中を擦ろうと手を伸ばしたその時、突然誰かに肩を突き飛ばされ、景子はよろめいて尻餅をつく。
訳が分からずに、乱れた髪をかきあげながら身体を起こそうとすると、グイッと上着を掴まれて立たされる。
目の前には、ギラギラと輝く史の大きな瞳があった。
「……史?」
「お前……ほなみを泣かせてんじゃね――よ!!」
「?」
訳が分からず狼狽える景子を庇うように、ほなみが止めに入る。
「明智さんっ……違うの……景子ちゃんは」
「ほなみは黙ってろ」
史は、ほなみに一瞬優しい瞳を向けるが、景子に向き直った時にはまた凶悪な輝きを取り戻していた。