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らぶあど encore!
第27章 長い夜④
タクシーの中、祐樹達が居るスタジオ近くまで来たのが分かると、ほなみは胸にスマホを抱き締めた。
半ば衝動的にスタジオに行くように運転手に告げてしまったが、スタジオまでの距離が近づくにつれ、胸の動悸が速まる。
――やっぱりまずかったかしら?
西君の迷惑になるのも困るけど、仕事場にまでしゃしゃり出てくる嫁、なんてスタッフに思われてしまったら、メンバーの皆にも悪いわ……
そんな杞憂と、それでも祐樹に会いたいという気持ちで葛藤は続く。
信号待ちをしている間に、スタジオ前で降りるか、それとも止めるか――答えを出そう、とほなみは思った。
ほなみが真剣に赤いライトを睨む様に見詰めていると、スマホが震えた。
「きゃ」
集中していた為驚いて声が出てしまった。怪訝な目を向ける運転手に頭を下げ、メールを読む。