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らぶあど encore!
第3章 魔性の女達
「はい……わかりました……大丈夫です……ふふ、何言ってんの?は―い、はい!じゃっ」
……愛しい女の声……
誰と話してるんだ……?
霞がかった意識が段々とクリアになる。
いい匂いがする……
甘い、胸が痛くなるような、だけど心地よい……
そう、これは、あぐりの……
野村が瞼を開けると、あぐりが上から覗きこんでいた。
髪がサラリと頬に一瞬触れて、野村は思わず掴んで引っ張ってしまう。
「い、イタタタタ!何してんのよっ」
また引っぱたかれるが、野村の頬は緩んだ。
あぐりは頬を膨らませて、何処かに行ってしまう。
殴られた頬に触れて、野村は身体を起こすと、其処は見慣れない豪華な広い部屋だった。
バカでかいテレビ。
そして床にはでかい花瓶……いや、壺?
……に花がごっそりと生けられている。
絨毯も、カーテンも照明器具にも相当な金をかけているのが見てわかる。
何気なく辺りを見渡して枕元に視線を戻すと、フォトフレームがいくつも飾ってあるのに気づくが、その中に写っている人物を見て唖然とした。