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新月
第5章 透吾
——チュン、チュンチュン———
中庭から、雀の鳴き声が聞こえる。
チヨは布団から、モソモソと這い出てきた。
(ハァ、全然、眠れなかった……。)
一度、泣き疲れて寝ていたこと、
そして、昨日の出来事があり、眠る事などできなかった…。
襖を開けて、外を見てみると、空は僅かに明るくなってきていた。
(———よしっ!!
起きよう!!
今日から、ここでお世話になるんだ!
かかさまみたいに頑張ろう!!!)
夜の事は、頭の隅においやり、
チヨは自分のすべきことをやるべきだと思った。