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新月
第6章 隠し事
「え?」
チヨは、小さい呟きを口の中で呟いた。
…めしい、つまり、盲目のことだ…。
「生まれた時から、光はありません。
なので、何処にもいくことができません。
私の事を知っているのは、家の人間くらいです。」
チヨは、
出会ってからずっと、美月が目を閉じていたのを思い出した。
言葉を返すことができず、だまっていると、
スッと、
美月の瞼が上がった。
そこには濡れ烏のような、しっとりした黒色の瞳があった。
しかし、その瞳はチヨの方を見ているが、チヨを捉えることはしていなかった。