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刺繍のような詩集のような。
第8章 掌(二次創作/ピンポン/非官能)




ドイツにいるペコから、手紙が届いた。
「この星の一等賞になりたい」と、書いてあった。




やっぱり、書いてあった。




彼は、やっぱり、変わらない。














今もタムラに訪れる僕を、オババは相変わらず少し困った笑みで迎える。
僕は会社帰りのまま、スーツで卓球場に来ては、相変わらずルービックキューブを弄る。
手の中で、世界が綺麗に整っていくのが楽しい。
何も考えずに、ただ時間を潰せることが楽しい。
こうやっていると、卓球をしていた頃を思い出す。
卓球で時間を潰していた頃を、思い出す。




「仕事、忙しいのかい?」
煙草をふかしながら尋ねたオババに、僕は小さく頷くことで応える。
タムラには土曜出勤をしてから来るから、だいたいスーツ姿で現れることになる。
「でも、卓球場に来るんだね」
「何です……?」
「いーや」
オババは肩をすくめると、帳簿に目を向ける。
少し奥の壁に、あの日の選手権の写真がうつる。
ペコは肩から金色のメダルを下げている。















僕は、手を抜いたわけじゃないんだ。
そう言おうと思っていたけれど、あの時、ペコは僕に何も聞かなかった。
何も言わなかった。
ただ、痛いはずの左足を庇いもしないで、普通に表彰台に上がっていた。








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