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第1章 プロローグ

「早苗ぇー！　会社に行ってくるよぉー」
店長は家の中で大きな声を出した。

早苗の返事はない。
夏休みが始まったから、家にいるはずなのに･･･

「行ってきまーす！」
店長はもう一度、声を上げる。

「いってらっしゃい。　パパの出勤って、平日も遅いのね」
早苗がトイレから出てきて言った。

早苗はトイレ掃除をしていたのだ。

「ＩＴ企業はフレックスなんだよ」
店長は嘘をついた。

自分の職業を正直に言えない店長である。