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8月の月
第7章 エロさ
気持ち悪いエロ男は嫌い。
多分、女はみんなそう。

私ね、あなたがエロい姿なんて、
想像出来なかった。

あなたに対しては、
純粋な気持ちそのものだったのよ。

セックスするとかしないとか、
論外だった。

私のエロさを白状しちゃうとね、
あなたと結ばれるまでを楽しみたい。
それだけ。

だから、私のエロさは微塵も感じなかったでしょ?

でも、いつかはあなたに抱かれたい。

焦る気持ちもなかった。





駅のホームで、
次の行き先を決めた時、

あなたがわたしの背中を抱いたの。

「どこかに連れ込んじゃつていい?」

背中越しで笑いを堪えて、
冷静な顔を作るまで振り向けなくて…

心はね、

『早く言ってよ。
ばぁーか!』


言えないよ。
言わないし。



あなたの不器用に付き合うわ。




『このまま何処かに連れ去って』


なんて、
絶対言わない…けどね……
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