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蒼い月の下で
第2章 歌姫
きっとそんなのは夢物語で。
永遠に出逢うこともないだろう、
それほど愛しい者に出逢える可能性など、限り無く低いのだから。


ミラはすうっと息を吸い込んだ。

蒼い月の下
吸血鬼の王様と人魚のお姫様
はじめて交わす口付け

愛しい者を千年も二千年もまもりましょう
我が身をかけて永遠に

人魚のお姫様はかわりに歌を捧げ
それから蒼い月の雫のピアスをつけました

いつか貴方を導くものだと


二人だけの秘密


こっそり忍び込んだ図書館で見つけた吸血鬼の王様と人魚のお姫様の物語。可愛らしい表紙絵。一目見てその本を気に入って、内緒で持ち出した。




少しだけ、そんな夢物語を信じていたりする。



この吸血鬼の王様と人魚のお姫様のような美しい物語を。





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