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ネムリヒメ.
第6章 ホットミルク.
部屋を出ると幸い廊下の照明には灯りが灯っていた
静まりかえった屋敷のなか、階段を降りて一階のリビングを抜ける
ふと見上げると、時計は夜中の2時をまわっていた
それからダイニングの扉を開け、キッチンの冷蔵庫からミネラルウォーターを手に取った
グラスに注いでミントの葉を浮かべ、マドラーでかき混ぜて口へ運べば、その冷たさと爽やかなミントの香りが汗ばんだ肌の熱を冷ましてくれる
アタシはグラスを持ったままダイニングを出ると、部屋には戻らず、そのままリビングのソファーに腰を沈めた
誰もいない薄明かりのリビング
部屋に戻りたくなくて、ソファーの上で膝を抱えて縮こまる
ひとりで眠るのがなんとなく怖かった
怖い………でも、理由がわからない
でも、わからないから余計に不安だった
早く朝が来ればいいのに…
ただそれだけを思いながら、窓から差し込んでくる星影がかすむほどの鮮やかな月光を見つめていた