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ネムリヒメ.
第6章 ホットミルク.
その人物はリビングの間接照明を付けるとアタシの側にやってくる
差し込む月明かりに照らしだされる、彼の綺麗な横顔
彼はソファーで縮こまるアタシを見つけるとネクタイを緩めながらそっと微笑む
「…眠れない?」
「渚…くん…」
彼の優しい声に安堵して、一気に力が抜けるのがわかった
「泣きそうな顔してどうした…?」
彼は手を伸ばしてそっと頬に触れてくる
「…っ」
彼の温かい体温に、なんだか本当に泣きそうになって抱えていた膝に額を押し付けるように俯く
目頭が熱くなって、鼻のあたりが酸っぱくなる
でも、今にも零れそうなのは物音に怯えてビビってかいたべその涙じゃなくて、なんだか違う意味の涙のような気がして顔があげられない
「ほら…寝るぞ」
「……」
彼に手を引かれるけれど、アタシは俯いたまま首を振る
すると渚くんは、フッと息を吐き出すとアタシの隣に腰をおろした