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ネムリヒメ.
第7章  知らない自分.



「は!? オレが聞いてんだけど…足りないのはお前の頭だろ」

「はぁ!? 失礼しちゃうんですけど」


渚くんの返しに、いきり立ってソファーから立ち上がるアタシ

こうなったら、売り言葉に買い言葉だ


「っ、朝から襲う人に言われたくない!!」

「…じゃあ感じてんじゃねーよ」

「っー…!!」


チーン…
はい…売り言葉に買い言葉、終了


あー、もう!!

なんなのこのオトコは


「なぁなぁなぁ…千隼ちゃんはおバカさんなの!?」

「なによ…」


ソファーに渚くんがやってきて、アタシの肩をトンと押す

バランスを崩してソファーに沈み込むアタシに、渚くんは濡れた前髪から覗く切れ長の瞳で見下ろしながら口元を歪めた


ちょっと待って…

さっきまでの切ない空気はどこにいったんだろうか…

拍子抜けするくらいあんな切なそうな顔をして、アタシを抱き締めてたオトコは誰だったっけ


「おい、帰国子女…日本語、大丈夫か!?」

「平気だから!! バカにしないで」


開き直ったような彼の態度にカチンときて、思いきり睨んでやった



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