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ネムリヒメ.
第8章 雨.
一方、渚の部屋では…
雨の音だけが響く静寂のなか、渚は濡れたままの姿でタバコをくわえ細く煙をたなびかせていた
コンコン…
そこへ扉をノックする音が響く
「ん…」
渚がその音に視線だけをあげる
部屋へ入ってきたのはバスローブ姿の聖だった
「うわっ……渚くん、風邪ひくよ!?」
黒い影…
いや、どす黒いオーラが見える…
渚の心情が伺えるとも言えるその光景に聖が驚いて目を丸くする
「…魔王……」
鳥肌がたって聖が思わず口にした言葉にようやく渚が言葉を返した
「…千隼は?」
「あぁ、やーっと落ち着いて お湯に浸かってるよー」
「そ…」
下を向いて煙を吐き出しながら返事をする渚
聖は部屋の中央までやってくるとソファーへ腰をおろした
「彼女…あんまりひとりにしない方がいいかも…」
「……」
「だいぶ不安定…」
「ん…」
「それからカラダじゅう傷だらけだから、手当てしてあげて…」
「は!?」
聖の言葉に渚が眉を寄せて顔あげた