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ネムリヒメ.
第8章 雨.
「頭は打ってねーの」
「ん…平気」
「他は…?」
髪を撫でながら彼の腕がアタシを抱き寄せる
ん…!?
彼の筋の通った鼻が髪を割ってアタシの耳を掠めた
「ちょっ、渚くん」
「なに…」
低い声が耳元で聞こえて肩がピクリと揺れる
なに…は、この流れであって
ケガの心配してるんだよね!?
「千隼っ…」
彼が甘い声でアタシの名前を呼ぶ
「んんっ…」
吐息が耳にかかって、目を瞑った
後ろに回された手が… 彼の長い指がうなじをなぞる
「…平気!?」
「ん…っ」
平気じゃないっ!!
べつな意味でぜんっぜん平気じゃないっ…
「言わないとわかんないって…言ったろ」
彼の艶のある声が頭の中に響く
「…平気…っだから、ケーキ食べたい」
「ケーキなんて…あとにしろ」
……って、なに、それ…
「ぁ…ん…」
ふっと耳に息を吹きかけられて変な声がでた
キャミソールの上から背中をツーっとなぞる彼の指
触れるか触れないかのところでアタシを背中を行き来する
「っ…アタシ、ケガしてるんだからね」
「…だから今見てやってんだろ」
は……い…?
意味不明、理解不能
なのに…
「ちょ……な…ぎさく…ぁ…」
腰をくすぐられゾワゾワと全身があわだって、彼の名前を呼びながら身震いをした