この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
ネムリヒメ.
第8章 雨.
「…ひどい顔」
「うるさいな…」
泣くだけ泣いて、それから渚くんにホットミルクを入れてもらって、目の前のテーブルに彼が雨と聖くんから死守してくれたケーキが並んでいる
「熱っ…」
「やけどすんなよ」
ソファーに座ってケーキを選びながらホットミルクに口をつけると、カラダのなかからじんわりと温まる感覚にホッとした
ガトーフレーズ…モンブラン…ショコラ…キャラメル…それと…チーズケーキ♡
やっぱこれからっ!!
最初のケーキはこれっ!!と、手を伸ばす
しかしその瞬間、隣に座った渚くんにその手をとられ、彼は赤くなった手首に触れた
「あ、ちょっと!!」
「…痛む?」
「っ…たい」
赤くなったままの手首は触れられるとやはりズキリと痛む
「他は? ケガ…」
「ぇ…」
「アイツとぶつかって転んだんだろ、聖に聞いた」
「うん…」
「ここも擦りむいている」
肘を引っ張られて初めて気がつく
「わっ、そこは気がつかなかった」
「あとは?」
「ちょっ!!」
渚くんに足首を掴まれてバランスをくずしアタシのカラダはソファーに深く沈みこんだ
「痛っ…!!」
靴に擦れて擦りむけた踵
赤く血が滲む膝
それからルームウェアの半ズボンの裾を捲られて、擦り傷と痣ができた脚が露になる