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ネムリヒメ.
第9章 イチゴ味の夜と….
「ちーちゃん、ドライブいこうよ」
「ぇ…今から!?」
「そっ♪」
車のキーを目の前でブラブラさせながら、アタシの涙の跡をそっと拭う葵くん
「こんな時間なのに!?」
「うん、平気平気…リビングでちょっと待ってて」
そう言うと葵くんはダイニングを出ていく
それからしばらくすると玄関の扉が開いて葵くんが外から入ってきた
「お待たせ♪ …寒いからこれ着てねー」
葵くんはアタシに有無を言わせず、てきぱきと自分のパーカージャケットを着せていく
「大きいけど、可愛いからよし」
すっぽりと彼の服に包まれて、だぼだぼの服の裾からはアタシの脚だけが出ている
これが葵くんの好みなのかなんなのか、彼はうんうんとアタシを見ながら頷いていた
「行くよっ!!」
そして、笑顔の彼に手を引かれてリビングを飛び出す
繋がれた葵くんのあったかい手に胸のなかでなにかが弾ける
トクンと甘い音をたてる心臓も、アタシのなかから今にも外に飛び出しそうだった