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ネムリヒメ.
第9章 イチゴ味の夜と….
しかし…
「あ…」
玄関まできて葵くんがアタシの足元を見て立ち止まった
アタシも自分の足元を見る
「ちーちゃん、靴履けなくない」
「ぁ…」
両足の踵は擦りむいて痛々しく絆創膏が並んでいる
できれば履きたくないな…
「どうしよ…」
玄関から門までは歩かなきゃいけないんだ
「んー、大丈夫じゃない!?」
いやいや、大丈夫じゃないです
きっと痛いです…
「行こうっ!!」
行こうって…この状態で靴を履けと!?
葵くん、無茶ぶり勘弁してください
踵の傷と相談しながら躊躇していると、彼に手を引かれる
「ちょっと待っ…うわっ!!」
するとすぐ近くで葵くんの匂いがしたと思ったら不意にカラダが浮いた
「シーっ…静かに」
大きな声をあげるアタシを軽々と持ち上げる葵くんの腕
驚いて顔をあげると、すぐ側に彼の顔がある
これって…抱っこ!?
彼に抱き上げられているコトを認識すると顔に熱が集中する
「ね、大丈夫でしょ」
「へっ…」
「ん、ちゃんと掴まんないと落ちるよ」
「わっ!!」
動揺してたら怖くなって、咄嗟に彼の首にしがみついた