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ネムリヒメ.
第9章 イチゴ味の夜と….
彼の腕のなかで目を覚ますと、時計はもう正午をまわっていた
目線をあげると長い睫毛を伏せて寝息をたてる綺麗な渚くんの顔がある
そもそも、ここにきて自分のベッドで目覚めたコトあったっけ…
アタシはしばらくぼんやりと彼の寝顔を見つめていた
でも…よく、眠れた…
彼の肩についた引っ掻き傷にそっと触れると、渚くんが睫毛を揺らす
「ん…もう少し寝かせて…」
少し掠れた声でそう言うとアタシを抱き寄せる彼…
「お腹すいた…」
ボソッと渚くんの寝顔に言ってみたものの彼の反応はない
「ねぇ、渚くんってば…」
少しだけ声を大きくして彼の胸板を叩く
「ん…寝てるから…ムリ…」
「っ……!」
て…寝てるのかそれ…
「…お腹すいた」
ちょっとムキなって、もう少しだけ声を大きくして彼に訴えた
「千隼…」
けれど渚くんはアタシの髪を撫でながら甘ったるい声をあげて済まそうとする
「渚くんってば、っ…わがまま言っていいって言ったじゃん!!」
それでもなお、目を開けない彼にアタシはカラダを起こして肩を揺すった