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ネムリヒメ.
第9章  イチゴ味の夜と….



すると、

………ぇ…!!?


強い力で肩を押され目の前がグラリと大きく歪む

あっという間に、ベッドにカラダが沈んで彼に馬乗りにされるアタシ


「ちょっと…!!」

「少し黙れ…」


寝起きのせいで眉をよせて低く掠れた声をあげる渚くん

頭の脇に両手をついて、気だるげな表情でアタシを見下ろす

なにも身に付けていない彼の美しい肢体に目を奪われ飛び出しそうになる心臓

って、そうじゃない!!
飛び出しそうになる心臓を抑えて、言わねば!!

だから…


「お腹すいたって言……っ!!」


………アタシの言葉はここで彼によって遮られた




「少し学習しろ…口塞ぐっつったろ…」




「………」



唇を離し、大人しくなったアタシを見て満足そうに口元を歪めながらカラダを起こす彼


「…起きるぞ」


「ぇえ…!? 起きるの!!」


結局 起きるんじゃんか!!


寝起きの彼の言動も、寝起きのアタシの心臓にはあまりよくない…

朝からアタシの心臓は働き者だ


「あんまり大きい声出すな…頭に響くから…」


アタシと同じくらい…
いや、アタシよりも寝起きが得意じゃ無さそうな彼は気だるそうにベッドを抜け出すとバルコニーの扉を開けてタバコに火をつける



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