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ネムリヒメ.
第9章 イチゴ味の夜と….
……………
「ヤバっ…寝すぎた!!」
渚くんと食事に出掛ける支度をして、下のリビングに降りるとそんな声がした
そこには慌ただしく出かける支度をしている葵くんの姿がある
「葵、まだいたの? 店は!?」
「ん、今日はこれから一ノ瀬さんのトコ行くからお店は平気…」
黒のスーツに細身の華やかなネクタイをしめながら笑顔を向ける葵くん
ぁぁ、こんな美容師がいるサロンなら下手なホストクラブよりお客さんくるだろうな…
「なら一刻も早く行けって」
「えー、大丈夫大丈夫♪」
「大丈夫じゃねーから」
「なんで!?」
「あの人、お前がこないとオレに連絡してくるから」
「ああ♪一ノ瀬さん、ナギのコト大好きだからしかたないよねー♪ ナギったらモテモテ♡羨まし♡」
「おい…」
ピリリリリ…
葵くんがパチリと綺麗なウインクを飛ばすと、なんとも絶妙なタイミングで渚くんの携帯が鳴り出す
「ほらほらナギ、電話♪電話♪」
「……」
ため息をこぼす渚くんをよそに葵くんはそんなことお構い無しに笑顔だ
「愛する一ノ瀬さんから電話だよー♡」
「葵、覚えてろよ」
着信を確認した彼の微妙な表情からして大方ビンゴといったところだろう