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第10章 　眠らない夜.

しかし、






「いやっ…!!」








……アタシは身を捩って彼を拒絶していた



「っ…!!」


驚いて言葉を詰まらせる聖くん



「はぁっ…はぁっ…」


しかし彼の言葉通り、あっという間に呼吸が乱れて苦しくなる


「んっ…はあっ…はっ…」


苦しくて、怖くて、目の前がグラグラして、汗なのか涙なのかわからない滴が頬を伝い落ちた


「千隼っ、落ち着けって」


渚くんが目の前でそう言ってる

でも、無意識に首を振るアタシ


「っはっ、んん…っ、はぁっ…苦し」


上手く呼吸ができなくて頭のなかも真っ白…


…苦しい……


もしかしたらこのまま息できなくて死んじゃうかも…


空っぽの頭のなかに、ただそんなコトが過って恐怖が胸に沸く


「千隼っ!!」


渚くんの手が頬に触れる


「オレの顔見ろって」

「はぁっ…んやっ!!」


焦点の定まらない瞳に映るのは、渚くん


怖い…


助けて…


…なのに



「はぁっ…はっ…ゃぁ…」


ココロとカラダがばらばらになって

カラダが勝手に拒絶して涙が溢れる


「やじゃねーよ…」


そんなアタシを強く抱き締める彼


なのに腕に力を入れてアタシは彼を押し返そうとしかしない