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ネムリヒメ.
第10章 眠らない夜.
「オレの言いたいコト…だいたいわかるよね!?」
「……っ!!」
「彼女がこんな時に不謹慎だけど…」
聖は壁際にいる葵の側へやってくると、彼を壁に追い詰めて顔の横に手をついて葵を見つめた
「"あの"渚くんが毎日抱くオンナのコ…
手に入れたいと思わない…!? 身も…心も…」
「…っ」
月明かりを背に妖しく微笑む聖
蒼白い光に彼の白い肌が一層際立って、人形のように整った目鼻立ちが妖美過ぎで怖いくらいだった
月光を背に影になっている彼の顔は、キレイな形の目だけが妖しい光を宿してギラギラと揺れている
そんな聖を目の前にして、葵はゾクリと鳥肌がたつのを覚えた
夜の冷たい空気にさらされた壁の冷たい感触が葵の背中を余計にヒヤリとさせる
「どうしたの…そんな顔して、らしくない」
「聖…」
「それとも葵くんはカラダだけでよかった!?」
「っ…お前!!」
クスリと喉を鳴らす聖に胸元を掴んだ葵が鋭く刺すような視線を返す