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ネムリヒメ.
第11章  体温計と風邪薬.



「なんでナギが入ってくんの!?」

「は!? 知らねーし…」

「もうっ!!」


アタシを腕のなかに閉じ込めて朝から不満を漏らしているのは葵くんだ

ダイニングの扉が開いた瞬間、アタシだと思って抱きついたのはいいけど、それが渚くんだったってオチで…


「あー、ちーちゃん大丈夫!? 熱下がった?」


そんなコトを言いながら彼はアタシの額や頬に触れながら頬擦りをする


「うん、だいぶ楽になったよ。 葵くんもちゃんと眠れた!?」

「えっ、オレ!? オレは…」


葵くんの目の下にはうっすらと隈がある

おとといの夜はアタシが彼の睡眠時間をほぼ奪っちゃったから少し気になったんだけど…

あれ…!? きのうも寝てないのかな!?


「あ、これ!?」


彼の顔をじっと見つめていると、葵くん目の下を擦りながら笑う


「これ、ちーちゃんのせいじゃないから気にしないで」


そう言ってテーブルの上でのんびりと朝食をとる聖くんの方を見る葵くん


ん…!? 聖くん?


よくわからずに首を傾げていると、テーブルにいる聖くんと目が合った




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