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ネムリヒメ.
第11章  体温計と風邪薬.




カラダ痛い…


理由はわかっているけれど、過ぎてしまったコトは仕方がない

あくびを噛み殺しながら、支度を整えたアタシはリビングに降りた

すると、今日もダイニングの方からギャーギャーと賑やかな声が聞こえてくる


みんな朝から元気だな…

時計を見ればまだ7時半だ

アタシはもうそんな元気はすでに残っていない
自分でも信じられないけれど…
あぁ…全部熱のせい!! よし、そうだ!!


呆れるほど前向きな理由を作り、ダイニングの扉を開けると 今日も彼の声が一番最初に聞こえてくる



「ちーちゃん、おはよっ」


今日も彼に抱きつかれ…その衝撃と鼻を掠める爽やかな香水の匂いで目が覚める


…ん!?




と、思いきや…





「うぐっ!! 」


思いきり渚くんの背中にぶつかって顔面を強打するアタシ


「ちょっ!! 急に止まんないでよ」


アタシより先にダイニングに入って早々、急に立ち止まる彼…

すると目の前から葵くんの爽やかな香水の香りと一緒に


「…葵、きもっ」


そんな渚くんの声が聞こえた



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