この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
ネムリヒメ.
第12章 アイスクリームシンドローム.
ピピピピ…ピピピピ…
そして今日3回目の体温計の音
薬が効いてだいぶ眠ったと思う
熱下がってたらアイス食べれるかな…
ドキドキしながら聖くんと体温計を覗きこむ
『36.7』
「下がった!!」
カラダもだいぶ楽になって、頭もはっきりしている
…平熱よりはちょっとだけ高いけど、これなら渚くんにも怒られないだろう
「ちーちゃん、よかったねー」
「うん、ありがとう」
「でも、薬効いてるだけかもしれないから、今日はおとなしくしててね」
「うん」
聖くんがにっこりして額や頬に触れる
「じゃアイス食べよ♪」
「やった」
ベッドを抜け出し聖くんとアイスクリームを選んでソファーに座る
淡いグレーのスーツに着替えた聖くん
普段の柔らかい感じとは一変、ちょっと凛々しい印象だ
これこそ、スーツマジック♡
彼の綺麗な顔と知的な雰囲気がマッチしていて、お洒落なデザインのスーツをきちんと着こなしているのがわかる
これから仕事に行くんだもんね
アタシの隣でカタカタとキーボートを叩きながら、書類にサインとかしてたっけ
そんな彼には、まさにインテリという言葉がぴったりだ
時計を見れば、もう11時をまわっていた
今日のアイスはアタシがストロベリーで聖くんがレアチーズケーキ味
彼と一緒にソファーに並んで仲良くアイスクリームの赤茶色っぽいプラスチックの蓋を開けた
今日こそ全部食べれるかなぁ♡
アタシの頭のなかはそれだけでいっぱいだ