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ネムリヒメ.
第12章  アイスクリームシンドローム.







ピピピピ…ピピピピ…


そして今日3回目の体温計の音





薬が効いてだいぶ眠ったと思う


熱下がってたらアイス食べれるかな…

ドキドキしながら聖くんと体温計を覗きこむ





『36.7』




「下がった!!」


カラダもだいぶ楽になって、頭もはっきりしている


…平熱よりはちょっとだけ高いけど、これなら渚くんにも怒られないだろう


「ちーちゃん、よかったねー」

「うん、ありがとう」

「でも、薬効いてるだけかもしれないから、今日はおとなしくしててね」

「うん」


聖くんがにっこりして額や頬に触れる


「じゃアイス食べよ♪」

「やった」


ベッドを抜け出し聖くんとアイスクリームを選んでソファーに座る


淡いグレーのスーツに着替えた聖くん


普段の柔らかい感じとは一変、ちょっと凛々しい印象だ

これこそ、スーツマジック♡

彼の綺麗な顔と知的な雰囲気がマッチしていて、お洒落なデザインのスーツをきちんと着こなしているのがわかる

これから仕事に行くんだもんね

アタシの隣でカタカタとキーボートを叩きながら、書類にサインとかしてたっけ

そんな彼には、まさにインテリという言葉がぴったりだ


時計を見れば、もう11時をまわっていた


今日のアイスはアタシがストロベリーで聖くんがレアチーズケーキ味

彼と一緒にソファーに並んで仲良くアイスクリームの赤茶色っぽいプラスチックの蓋を開けた


今日こそ全部食べれるかなぁ♡

アタシの頭のなかはそれだけでいっぱいだ




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