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ネムリヒメ.
第2章  目覚め.



「はい…」



彼は手にしたグラスにミネラルウォーターを注ぐとアタシに差し出した


「…ありがとう」


グラスを受け取りそれを口に含むと、カラカラだった喉が潤っていく


しかし、それとともに

なんとも言えない感情が沸き上がってきた



結局…


こうして目が覚めても、何も思い出せない

自分に何が起きているのかわからないままなんだ…


何もわからないのに…彼のコトは知っている…




彼を…知ってる…



アタシ…



──それは確信に変わる



きのう一晩中 渚くんに抱かれたんだ…



わかるのはそれだけ…


覚えてるのはそれだけで…



でも なんで…!?


それしか覚えていないんだろう…


どうして…



…わからない



「…っ」



──答えがでなかった



わからないコトが不安で

胸が苦しくなる


苦しくて 瞳に涙が滲んだ



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