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ネムリヒメ.
第2章 目覚め.
「っ…」
「千隼!?」
「……アタシ…っ」
震えた小さな声で彼を見上げると
瞳から大粒の涙がボロボロとこぼれ落ちた
彼はそんなアタシの様子に少し戸惑いを見せるも
ベッドに腰を降ろすとそっとアタシの頭を引き寄せる
彼の温かい体温がアタシを包み込むと、涙と一緒に感情が一気に溢れ出た
「っ…わかんな…ぃ…」
「…っ!?」
「きの…っ」
「……」
「ヒック……覚えて…な…の……っ」
「……!!」
「渚く…のこと……しか…っ」
震えて今にも消えそうなアタシの小さな小さな声が
広い広い部屋の空気に溶けていった
彼は口つぐんだままなにも言わず
ただ 嗚咽しながらしゃくりあげるアタシを
優しく抱きしめていてくれていた