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ネムリヒメ.
第12章 アイスクリームシンドローム.
目を瞑り、真っ暗のなか、外の雑音が一切遮断されて、否応なしに粘膜の鳴らす音だけに神経が集中する
その艶かしく、いやらしく響く音がアタシのなかの劣情を煽り立てる
「ふあ…んんっ…は…ん」
そんな彼のキスに絆されて、自然と溢れる熱い吐息と甘い声
さらにそれらがサラウンド状態で頭のなかに響きわたって、いつまでも残響音として残って脳を痺れさせる
頭のなかはとっくに真っ白で、アタシは彼のキスに溺れるように舌を絡めて身を委ねていた
「そんな顔して、そんな声出すんだ…」
唇をつけたまま濡れた唇で囁く彼
「気持ちよさそ…その声、ゾクゾクする」
そして再び耳を塞がれたまま口づけられる
「はっ…ん…ぁ…」
彼のねっとりと甘い舌遣いでたてられる粘膜の音と、溢れる吐息と鼻から抜ける自分の甘い声が頭のなかに響いて
自分で自分を追い詰めてる状況が自虐心を煽ってカラダを余計に熱くさせる
彼の甘い匂いが余計にアタシの脳を麻痺させ、キスだけなのにこんなにも甘く疼くアタシのカラダは、小悪魔のような彼によっていつのぼりつめてもおかしくない状態になっていた