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ネムリヒメ.
第12章 アイスクリームシンドローム.
「あはっ…もしかして、それ…睨んでるつもり!?」
「っ…」
聖くんの見透かしたような視線に顔が赤くなって瞳に涙が滲む
「…そんな顔したって、オトコを煽るだけだって…」
ギシッ…
聖くんにトンっと肩を押されて、再び背中がソファーに沈む
楽しそうに口元を歪めてアタシを見下ろす彼…
「…誰かに言われなかった!?」
その意地悪で色っぽい彼の微笑みは、"小悪魔"を通り越して"悪魔の微笑み"に見えた
「今の自分の顔…知ってる!?」
「…っ!!」
葵くんにも同じコト言われた…
「…オトコを惑わすオンナの顔」
唇が触れそうな距離で囁く聖くん
ドクンッ!!
彼の言葉に心臓が大きな音をたてる
すると聖くんは、まるでその音を遮断するかのようにアタシの両耳に手を当てて唇を塞いだ
彼はついばむようなキスをしたあと、アタシのなかに舌を差し込んで深く絡めてくる
チュッ…クチュ…ピチャッ…
彼に両耳を塞がれて頭のなかに蜜の絡まる音が反響する
頭のなかに響くその音がなんだかすごくいやらしく聞こえて、カラダの奥が熱くなった