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ネムリヒメ.
第12章  アイスクリームシンドローム.



しかもあろうことか、彼はアタシの口元を覆う手を取り払う


「っ!?」



『…千隼は?』


部屋の外から再び渚くんの声がする


「んー!? ちーちゃんなら…」


聖くんがアタシを見つめながら微笑む

っ…

聖くん、寝てるって言ってくれるよね!?


そこで言葉をとめる彼に、心臓が嫌な音をたて続ける

イイコに寝てるって言って!!

悲願の念を込めた視線を聖くんに送り続ける


「…イイコにしてるよ」


よかった…

彼の言葉に肩の力が抜ける


しかし、

ぇ…

安堵するアタシの顔を眺める聖くんの目の色がどんどん変わる

妖しい光を宿らせ、微笑みも余裕さえ伺わせる意地悪な笑みに変わっていく



…嫌な予感がした



「イイコにしてるよ、とっても……






 …オレの上で♪」






『ッ…聖!!』


とんでもないことを暴露する聖くんの言葉に心臓が止まりそうになった

血の気がひく


すぐに耳に飛び込んでくるバンッと扉が開かれる音と渚くんの切迫したような声


「お前まさか…」


…しかし


「んぁあっ…!!!」


渚くんの声はアタシの甲高い悲鳴によって遮られた





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