この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
ネムリヒメ.
第13章 シャンパン☆ストロベリー.
タイムっ!!
…タイム、タイムーっ!!
目の前で満面の笑みを浮かべる葵くんに胸がキュンとなる
…心労のせいで免疫落ちてないか、アタシ
でも、もはやそんなコトを考える力は脳内に残っていない
「ゴメンね、大丈夫だよ…ほっぺた痛いけど」
ようやく彼に笑顔を返すと、葵くんは笑いながらなにかをアタシに差し出した
「よかった、じゃこれお土産」
そう言って渡された手提げ袋には都内の高級フルーツの老舗の名前が入っていて、大好きなあの甘い匂いがする
「ぇ、これって…」
「あ、開けて開けて!?」
彼に施されて袋から取り出して包装を解くと現れたのは立派な桐箱
これってまさか…
まさかまさかで胸をときめかせて箱の蓋をゆっくり開いた
「えっ!! なにこれ」
アタシは思わず歓喜の声をあげて彼を見る
箱のなかにはキラキラと輝く大粒のイチゴが綺麗に並んで入っていて、甘酸っぱい香りが鼻をくすぐる
「ん、こないだ好きって言ってたし、お見舞いね」
「えっ!?」
そう言えば、こないだ一緒にイチゴ食べたっけ
好きって言ったの覚えててくれたんだ
「嬉しい、ありがとう」
さりげない気遣いに、素直にそう伝えると彼は優しく微笑む
あぁ…このイチゴにその笑顔を添えるとか、犯罪に等しいレベルだと思う
ズルい…
彼の "必殺・オンナ殺しスマイル" に胸がさらにキュンと音をたてて、今回ばかりはやられそうなった