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ネムリヒメ.
第13章 シャンパン☆ストロベリー.
…………
「ヤバ…寝て…た…」
誰もが寝静まったであろう深夜、部屋にポツリと響くのは寝不足のこのオトコ、葵の声
静かにカラダを起こすと、ガウンの裾がツンと引っ張られる
「っ!?」
ハッとして隣を見ると、自分のガウンの裾を握りしめ小さく縮こまって静かに寝息をたてる彼女、千隼の姿があった
彼女は穏やかな表情で規則正しい呼吸を繰り返しており、その表情に葵も安堵の表情を浮かべる
「…ってか、女の子より先に寝落ちとかカッコ悪っ…」
そして葵はバスルームに向かおうとベッドをおりると、ソファーにいったん腰をおろした
テーブル並ぶ飲みかけのシャンパングラスが甘い香りを放ち、彼女の遊び心でグラスの縁にイチゴが刺してある
葵はそのイチゴを口に放り込むと、チカチカと慌ただしく着信を告げる光を放つ携帯電話を手に取った
「………」
画面の明るさに目を細めながら、ボーッとする頭で無言のまま画面を操作する
新着メール 10件
着信 7件
留守電 5件
「はぁ…」
肩をあげ大きなため息を吐き出す葵
そして葵はそのなかから、とある1件の留守電を再生した
電話を耳に当てるとピーっと機械音が流れる
『……………鬼……』
プツッ
たったそう一言で途切れるメッセージ