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ネムリヒメ.
第15章  イチゴタルト.




「……なに…」


負けじと鋭い視線を返す聖だか、妖美に微笑む葵に顎を掴まれ、ゾクリとした聖はそのまま固まる

すると葵は唇が触れそうな距離まで聖の耳元に顔を寄せた


「っ…!!」


息がかかって聖がピクリと肩を揺らすと、葵は鼻で笑いながら低い声で囁く



「…ごちそうさま」



「………!!」



わざとらしく、チュッとリップ音を鳴らし聖の耳元から顔をあげる葵

妖美に微笑みながら自分を見下ろす葵に、聖はドクリと心臓を鳴らしながらも刺すような視線を返す


「それ…言う相手、間違えてない」

「…お前で充分だよ、ひーじりくん」


挑発するように妖しく微笑む葵の眼差しと、
刺すような視線を返す聖の視線がぶつかってバチバチと音をたてる


が、


そこに…


「気持ち悪っ…」


ぶつかり弾ける火花の音を一気に消し去るそんな声


「「…………」」


ふたりが振り返れば、ちょうど帰宅したと思われる雅が物凄く冷めた目でドン引きしていて…



………………

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