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ネムリヒメ.
第15章  イチゴタルト.



「そもそも、お前らがコイツに手ぇ出さないなんて思ってねぇし」

「へぇ、言うじゃんナギ。もっとヘコんでると思ってた」


葵がグラスを傾けながらニヤリと口角をあげる


「うるせーな」

「聖くん、調子のっちゃうよー」

「ちょっと癪にさわるけど、千隼の為にいろいろ動いてるの聖だしな…」

「あらぁ…ナギったらオートナ」

「だから葵もシャンパンの一本ぐらい目ぇ瞑ってやれよ」

「可愛くないけど、そういうコトならしょうがないなぁ…」


大きく息を吐き出した葵に今度は渚が口元を歪める


「んで、お前はたった一晩で、ガンガン鳴る携帯切るくらいハマったって!?」

「んー……………どうなんだろうね」

「なんだその間は」


タバコに火を着け問いかける渚の声に、葵は遠い目をしながらグラスをテーブルに静かに置く


「でも…

……初めて本気で女の子抱いた」


「……あっそ」

「あーあ、なんからしくないよね…」

「あ?」


「女の子になんて不自由したコトなんてなくてさ…

誰にも執着しないナギに並んで

誰にも本気にならないのがオレだったのに…」

「………並べんな」


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